個性
個性。
個性を大事にしよう。と良く言われる。
でも、ここに主語はないです。
私は個性は自分の個性を大事にするということではないとおもっています。
相手の個性を大事にする。
それが、個性を大事にするということなのだと。
絵で言うなら、モチーフの個性、そのものの良さを大事にして、認め、引き出すことが大事なのだと思っています。
美術家は本来、自分の個性を押し付けるのではなく、個性を認めて、良さを引き出すものであるべきだと思います。
料理人にたとえると素材本来が持っているものを引き出す料理人。
それが、皆、個性という名のソースやふりかけを振りかけるのです。
それをまた、褒める人も多くいるので、多くの美術家は料理人ではなくソース屋になってしまう。
近代日本画の成果の一つは観察に基づいた、対象の良さを引き出す、花鳥画や静物画にあると私は思っていて、芸大の日本画の試験などで静物着彩が出題されるのも、そんな理由だと思っています。
芸大の試験では受験性の個性など問題にしていないのです。
むしろ、対象を観察し、どれだけそのモチーフの良さを引き出しているのかが大事なのだと思います。
個性など見たくない、どれだけ個性を引き出すことが出来たのかが重要なのです。
これは、私は本質的な話だと思っているのですが、なかなか難しいことですね。だって、人間だもの、、。
私は制作の根本の一つにしています。
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