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2013年7月 8日

「Trace」

個展のお知らせ。


阪本トクロウ「Trace」

会期:2013年7月13日(土)~2013年9月7日(土)

オープニングレセプション 7月13日(土)18:00〜20:00
夏季休廊8月11日~19日
時間:12:00~19:00
休日:日・月・祝

会場:キドプレス
http://www.kidopress.com/


このたび、キドプレスでは2009年に引き続き、二回目となる阪本トクロウの個展を開催いたします。 新作のペインティングに加え、今回新たに制作されたメゾチントによる銅版画を展示いたします。
阪本トクロウは1975年に山梨県塩山市に生まれ、同地にて制作を続ける作家です。
描くモチーフに「どこにでもあるもの」というルール決めて描くようにしている、という作品からはその場所の空気、におい、音までもが想像され、鑑賞者の誰もが一種の既視感を覚えるのではないでしょうか。
さらに阪本の魅力は、見慣れたはずの風景の向こうに待つ非日常に触れるところにあります。洗練された構図、空への視線誘導、柔らかな色調や、明快に取り出された形、それらいくつもの要素が、時が停まっているような静寂と現実世界から切り離されるような心地よい距離感を生んでいます。
福田平八郎の「漣」を思い浮かべて描かれた「水面」、東京の常宿の窓から眺めた町の灯りが幾何学的に美しく煌めく「夜景」のシリーズなどは、今回、初めてメゾチントでの制作を試みています。 (mezzotint: 銅版画の技法の一種で、あらかじめ版面に専用の道具で、黒い版を作り、それを削ることで描画する技法のひとつ。フランス語ではマニエール・ノワール(黒の技法)とも呼ばれ、黒い背景に浮かび上がる豊かな明暗濃淡が柔らかい階調を生み出すのが特徴です。)

[作家コメント]
作品の制作では風景を写真に撮り、そこからシルエットの形を抜き取って画面にトレースする方法を多用します。その抜き取ったシルエットをコラージュのように貼り付けて構図を作ったり、レイヤーを重ねて奥行きを出すような作品も作ります。
今回のメゾチントでの版画制作は特にこのトレースの部分だけで作った作品といえます。
形を丁寧に追って転写するだけです。
何かを伝える為のものではなく、世界を見て、それをなぞった跡がただ現れれば良いと思っています。
また今回の技法メゾチントではインクを乗せたくないところを平らに削ったり、擦ったりしたのですが、銅版なのでエッジの効いた鋭利な印象を持つ版が出来上がりました。それが刷ってみると地と図の境界が思いのほか柔らかく、さらに深さも出してくれることも驚きで、面白く制作出来ています。
初めての技法とその制約が良い形で作用し、自分と作品との距離感が上手くとれたものが出来つつあります。

Minamo2


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